退職交渉って気まずいですよね。
辞めたいと伝えたらどんな反応をされるかわからないですし、批判的なことを言われたり、引き留めにあったりしたらと思うと気が引けます。
「お話したいことがあるのでお時間いただけますか?」は退職の切り出しの常套句ですが、何度経験してもこれを切り出すときの緊張は慣れるものではありません。私も初めての会社を1年で辞めたときは吐き気を催しながらこの言葉を言ったことを今でも覚えています。
しかし、退職を切り出すのは罪悪感を覚えることでもなんでもありません。自分の人生に必要な選択を取った上での行動ですから、胸を張って「辞めます」と伝えましょう。

退職交渉はある意味最高のエンタメです!!
大前提:日本国民には「職業選択の自由」がある!
まず肝に銘じておきたいのは、日本国憲法では「職業選択の自由」が定められており、私たちは仕事を好きに選ぶ自由があることを保証されているのです。
会社への迷惑?そんなものは知ったこっちゃありません。社員が辞めたあとのことを考えるのは経営者や管理職の責任です。自分の人生は自分のためにあります。
「そんなんじゃどこ行ってもやっていけない」は管理職の幻想
たまに短期間で仕事を辞めることを伝えると「そんなんじゃどこ行ってもやっていけない」とか「お前を雇ってくれる会社はない」とかなんとか言ってくる人がいますが、これはすべて上司の幻想です。
自分の管理能力がないから部下が退職をしているという事実を、部下に責任転嫁することでプライドを守っているのでしょう。
根拠もなにもない浅はかな妄言ですので、まともに相手にする必要はありません。「あなたは世界中すべての会社のすべての職場をご経験されたのですか?」とでも返しておきましょう。
何か言われたら?という想像はしない
退職を切り出す前は、何を言われるのだろう、どんな反応をされるだろうと、とても不安になりますよね。こういわれたらああ切り返して、と事前に色々とシミュレーションしてしまうのが人間の性です。
しかし、これを考えるとますます切り出す勇気が出なくなりますので、退職を伝えると覚悟を決めたら、伝えた後の想像はしないようにしましょう。
強い意志を持って「辞めます」と伝えれば、よほど何か言われることはありません。大切なのは相手につけ入る隙を与えない強気な姿勢です。
【実録】社会不適合者流退職の切り出し方
それではここからは社会不適合者流の退職の切り出し方を紹介していきたいと思います。
これは私や同僚が実際に行った退職です。こんなトリッキーな辞め方をしている人もいるんだなぁ、と気楽に考えるきっかけにしてもらえると嬉しいです。
①号泣しながら電話で退職を伝える→翌日から有休消化
なにも退職は直接でなくていいのです。勢いに任せて電話で伝えたって、相手に了承させればミッションコンプリートです。
彼女は日々の業務や人間関係に相当な不満とストレスをため込んでいました。ギリギリで保っているバランスは、いつ崩れてしまってもおかしくありません。
ある日彼女はいつも通り取引先との打ち合わせに先輩と向かいました。そこでの先輩とのいつものかみ合わないやり取りが、彼女のストレスを爆発させてしまったようです。
打ち合わせ後の帰り道、彼女は号泣しながら駅のホームで上司に電話をかけ、「もう限界です。辞めます」と伝えました。
上司は困惑していていましたが、彼女の強い意志を感じ取ったようで、とりあえず有休消化で1ヵ月休んでから決断するよう促しました。
彼女は翌日から1ヵ月休み、結局考えを変えずに無事に退職しました。
②業務連絡のついでに「あと転職するので、会社辞めます」
別に退職は何も時間を取ってわざわざ会議室などで改まって伝える必要はありません。自分が伝えたいときに伝えやすい形で切り出せばいいのです。
彼は既に転職先が決まっていましたが、転職先の入社日までは少し期間の猶予がありました。そのため「別にすぐ伝えなくてもいいな、いつ伝えようかな~」とタイミングに悩んでいました。
ある日、彼は上司に報告することが複数ありました。いつも通り上司のもとへ行き、淡々と言うべきことを伝えます。伝えてる最中に彼は、”そういえば退職することも伝えるんだった”と思い出し、今ならついでに言えるしちょうどいいか、と思い立ったのです。
予定していた報告事項を伝え終えると、彼は最後に「あと僕、転職することにしたので、再来月で会社辞めます。」と言い放ちました。不意に伝えられた退職意志に上司は唖然とし、さすがに顔を見合わせて時が止まったかのように固まりました。しかし程なくして、「了解しました。」と上司が端的に返事をすると、彼は即座に身を翻して自分のデスクに戻っていきました。
ちなみにこれは私の話です。
③飲み会の最中に退職届を渡す
別に退職を切り出すのは就業時間中でなくても構いません。大事なのは伝えるべき相手に確実に伝えるということです。
彼は上司や先輩からの理不尽な要求にも文句を言わずに耐えていました。いつも人当たりがよく、不満な顔を1つせず業務を引き受けていました。そんな彼のことが面白くないのか、上司や先輩は彼のあら捜しをしては陰口を叩いていました。
彼には退職の予兆がありませんでした。その日も彼はいつも通り先輩の無理な要求に応え、急に誘われた飲み会にも嫌な顔をすることなく参加をしました。
飲み会も中盤に差し掛かる頃、トイレから戻ってきた彼は自分の席ではなく上司のもとへと向かいました。そして上司に封筒を差し出し、「辞めます。いままでお世話になりました。」と飲み会代を置いて去っていきました。会社の彼の私物は既になくなっており、彼は翌日から来ることはありませんでした。
まとめ:あまり構え過ぎずに退職を切り出そう!
以上、私の周りで実際にあった退職交渉エピソードを3つご紹介しました。
何事もそうですが、緊張のピークは始まる前で、始まった後はなるようにしかなりませんし、逆になるようになります。上記のエピソードのように勢いに任せても最終的に辞められますので、あまり考えこまずに退職を切り出しましょう。
ちなみに、上記の例で紹介した3人の人物たちは、今はそれぞれ普通に幸せに生活を送っています。
自分で退職交渉が伝えるのが難しい時や、退職交渉が思うようにうまくいかない時は退職代行会社を使うという手もあります↓