【路上オンライン面接】26歳サラリーマン、道端でリモート面接を受ける

コロナ禍を機にリモート面接は一般的な存在になりました。コロナが収まってからも、一次面接はリモート面接で、という会社はまだまだあります。

リモート面接の普及によって遠方の企業でも気軽に応募出来たりとメリットも増えました。一方で、リモート面接のために機材や場所を準備しなければならないという負担が生じるのも事実です。

特に場所に関しては、前後の予定がタイトな時間にセッティングしてしまうとどこで面接受ける…?と頭を悩ませてしまうポイントです。

また、リモートだからといってさすがに勤務時間中に面接を受けるわけにはいきませんよね。リモート面接だからと油断してノリで応募して、いざ面接の日時調整のタイミングになったらさぁ大変、平日に時間を取れないなんて状況になると自分の首を絞める事態にもなりかねません。

ということで運悪くそんな諸々の状況が重なってしまった筆者が迎えた末路「青空リモート面接」のお話をしたいと思います。

面接日時の候補がやたら少ない企業だと、やむを得ずタイトなスケジュールを組みがちです。

すべての始まりはとりあえず応募したこと

私が青空リモート面接を行うことになったのは26歳、社会人4年目のことでした。私は社会人4年目で既に2回目の転職活動をしているという職務経歴だったので、落ちまくることを前提にとりあえずよさそうな求人には応募するくらいの軽い気持ちで応募していました。

その求人は某南の島の企業で、求人内容は未経験職種の求人でした。「え、住んでみたいし仕事もなんかよさげだし応募してみよ!」と軽く応募ボタンを押下したのでした。

何故か通過した書類選考

するとなぜか書類選考を通過しました。企業側にエージェントがついており、そのエージェントが窓口となってやりとりを行うタイプの求人でした。

面接日時の調整に入ったのですが、土日祝日の面接対応不可、可能時間は平日の10時~17時の間、他の候補者との兼ね合いがあるため1週間以内で調整必須というそこそこ厳しい条件を迫られました。

当時私は14転勤の真っ只中という状況にあり、正直平日の日中の対応など100%無理な状態でした。しかし、客先に出向いて仕事をする日が何日かあり、その日の昼休憩のタイミングならかろうじて時間が取れそうでした。

というわけでその打診をすると、無事に仕事の休憩時間に面接日程が決まりました。

面接当日

私の当日の作戦はこうでした。

いつも客先の仕事は11:30過ぎには昼休憩に入り、戻りの時間は13:00。11:30過ぎに客先を出て近くのカラオケボックスへ入室、11:50にはスタンバイを終えて12:00から面接に臨む。面接時間は1時間と言われているが、巻いて12:50には面接を終わらせて急いで客先へ戻り、13:00には何事もなかったのかのように午後の業務を始める。

11:30過ぎに昼休憩に入るということが鍵でした。その客先ではそれまでに同様の業務を何度も行っており、11:40を過ぎたことは一度もなかったので、その日も大丈夫だろうと高を括っていました。

ところがその日は様子が違いました。いつもより業務の進捗が悪く、薄々嫌な予感がしていたのですが、迎えた11:30、客先の担当者は焦るどころかのんきに仕事をしており、11:40はおろか11:50にも終わりそうにありません。

11:50に出なければ、カラオケボックスに入室し状況を整え12:00に面接を開始することは不可能です。最悪の事態を想定してエージェントに電話し事情を伝えると、露骨に面倒そうな反応をされ「最悪選考不可となることもありえますがよろしいですか」とため息がちに告げられました。

そんなのわかってる、わかってるけどまじで想定外の事態なんだから仕方ないだろと心の中で吐きつつひたすら謝罪をしました。

すると数分後、エージェントからメールが届き「数分の遅れなら待てるから準備ができたら電話してくれ」という案内を受けました。正直数分の遅れではすまない気しかしなかったのですが、ここまで来たらもうなるようにしかならないと腹をくくりました。

結局午前中の業務が終わって客先を出られたのは12:00を少し過ぎた頃でした。今からカラオケボックスに向かったら100%間に合わない、と考えた私は、気づくと私は道を走りながら必死に背景ができるだけ無地に見える室内っぽい場所を探していました。

そして路上リモート面接へ…

ここは外。当然走っても走っても背景が室内に見える場所などありません。もう無理だ、私が腰を下ろしたのは線路脇の柱の前の縁石でした。そしてエージェントに電話すると、リモート面接のURLへ早急に入室するよう指示を受けたので、覚悟を決めてネクタイを締め、自撮りスタイルでリモート面接へと入室しました。結果的に開始時刻の12:00から10分ほど遅れての入室でした。

画面の向こうには4人のおじさんが見えました。全員役員でした。エージェントからは事前情報で2人と聞いていたので、話が違うぞと思いながら遅れたことを必死で謝罪し、定番の自己紹介と志望動機を促されました。

自己紹介の最中、道行く人の視線などもろともせず、できるだけ手に持っているiPhoneが傾かないよう腕に力を込めながら話します。そして志望動機を話し始めたところで背後を爆音の列車が通過していきます。画面の中の自分を見ると、明らかに室外の太陽光の当たり方で顔を照らしていました。

冷や汗なのか初夏の暑さからなのか、身体中から汗を吹き出しつつ志望動機を話し終えると、面接官から最初にされた質問は「列車みたいな音が聞こえましたけど、今どんな環境で面接受けられてますか?」でした。

私は素直に「移動する時間がなくて、すいません、外にいます」と伝えました。面接官たちは困惑したり苦笑したりしながら気遣ってくれたのか「カメラをぐるっと回して見てもらっていいですか」とか「おお~こんなところで面接受けてるのかぁ」とかなんとか言いながら特に直接否定的な反応をされなかったことは唯一の救いでした。

その後も電車の音に邪魔されながら聞き取りにくい音声に推測で答えて会話がかみ合わなかったりしながらも、私には13:00に客先に戻るという使命が残っています

質問には余計な前置きはせず必要最低限の回答で済まし、逆質問も「Yes/NO」で答えられるような簡単な質問を2問ほどしてわずか30分で面接を終えることに成功しました。

遅れて入室したあげく巻いて終わらせるという、前代未聞のミッションを遂行し、客先に戻る途中のファミマで買ったおにぎりを流し込んで午後の業務に戻ったのでした。

結果は?

結果は言うまでもなく落ちました。

しかし、面接から1週間ほど経ったとき、エージェントから「今検討中なので、もう少し待ってほしいと連絡を受けました」という電話がかかってきました。明らかになしな候補者にわざわざこのような連絡ははさまないと思うので、おそらく他の内定者の返事待ちのスペアくらいには検討してもらえてたのかな~と推測しています。

散々な青空面接体験でしたが、乗り切るとそれはそれで不思議な達成感がありました。もしあの時、面接の開始時間に合わないからと簡単に辞退していたら、もしかして受けてたら今頃南国生活を送っていたかもしれないのに…という後悔をあとあとしていたかもしれません。

だから落ちてしまったけど、あの時全力で場所を探して、とりあえず受けるだけ受けたことはよかったと思っています。

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独身アラサー男子。社会人歴7年目にしてすでに5社目という転職回数を誇るも、人に語れる経歴や実績は何1つありません。過去には適応障害と診断されたこともありますが、他人に認めてもらうことを諦めた結果、それなりに楽しく暮らしています。

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