本サイトは一部にプロモーションを含みます。
バイトでクビを言い渡されるには相応の理由があるように思います。
しかし現実には「育てる気もないのに適当に雇って、期待した能力がなかったから」という理不尽極まりない理由でクビを言い渡す会社が存在するのも事実です。
本記事では私が大学生の頃、バイト2日目にして能力不足を原因にクビになったときの話をご紹介します。
腹は立ちますが、安易に人を解雇するような会社にいても良いことはないと割り切っています。
クビになった時のこと
当時大学生だった私は、家からほど近い花屋のバイトへ応募しました。従業員数が数名の零細企業で、数店舗経営している内の1店舗に勤務して店舗での接客と贈答花の配送を行うという求人内容でした。
面接
面接は社長とでした。簡単にいくつか質問をされ、免許を取得して間もないタイミングだった私の履歴書を見ると、「免許は…あ、取り立てなんだ~…」と微妙な反応をされました。正直に「はい、運転にはまだ慣れていません。」と伝えると、「まぁでも、最初は俺も一緒について回るから」と言ってくれたので安心してしまいました。
その場で採用を伝えられ、初回勤務日の調整をして面接は終了しました。
出勤初日
出勤初日はお店のことを一通り教えられ、古くなった切り花をセール用の花束に加工する作業をしました。
まだ学生でビジネスマナーを知らなかった私が、社長のことを「○○さん」と名前で呼ぶと、めちゃくちゃ不機嫌になって「社長って呼んで?」と睨まれたのが忘れられません。古き良き会社です。
そんなこんなで初日の勤務を終え、次回の勤務日は配送を行うことを伝えられました。最初なので社長が助手席に座って色々教えるとのことでした。
運命の2日目
そして迎えた2日目の出勤日。出勤すると3地点ほど住所を伝えられ、Google mapで道順を確認するよう指示されました。カーナビはついてないから覚えろとのことでした。
そして運転席に乗り込みます。配送車は小型トラックでした。免許を取得して1ヵ月経たないうちにまさかの小型トラックデビューすることになった私は、この時点で心が折れかけていました。
とにかく事故を起こさないように慎重な運転をする私に対し、助手席から時折飛んでくる社長の怒号をかわしつつ、最初の目的地に着いたところであることに気が付きます。
駐車する場所がバック駐車スペースだったのです。花の配送なんて路肩にちょろっと停めておく程度だろうという私の幻想は打ち砕かれました。そして素直に「すいません、僕はまだバック駐車に自信がありません。駐車だけ変わってもらえませんか?」と伝えると社長がぶち切れ始めたのです。
「俺はバック駐車ができない奴は運転できるなんて認めねぇ!」と叫ぶなりあらゆる罵声を浴びせてき ました。結局駐車は変わってもらえなかったので何度も切り返しながら自力でバック駐車しました。
そのあとも社長の怒号に精神をすり減らしながら配送地点を回り、無事に店舗に帰る頃にはメンタルのライフがゼロでした。そして車を降りるなり社長にバックヤードへ連れていかれ、配送メインの採用だから、あの運転じゃ勤めてもらうのは厳しい、と言い渡されたのです。
そもそも配送メインの採用であったことをこの時初めて知りました。免許を取って1ヵ月経ってないことは履歴書を見れば明らかで、そんな人間に運転スキルを期待しているのもおかしいし、勤続に関わるほど運転スキルを重視するなら面接で運転に慣れてないと伝えた時点で不採用にすべきだったのでは…?と頭に浮かんできた様々な疑問を即座に打ち消し、私もちょうど誰がこんな職場2度と出勤するかと思っていたところだったので甘んじて受け入れることにしたのです。
そして2日分の給料をその場で受け取り、みじめな思いを晴らすべくその給料で回転ずしでやけ食いして帰路についたのでした。
バイトをクビにすることは問題ない?
ところでアルバイトだからと言ってこんな簡単に解雇することは構わないのでしょうか?
私自身正社員としてアルバイトやパート社員を管理する立場にいたこともありますが、簡単にクビにすることはできません。アルバイトやパートの非正規雇用であっても、労働者である以上は労働基準法が適用されるので、相応の理由がなければ解雇することは認められないからです。
今回の私のケースが相応な理由かどうかはひとまず置いておいて、労働基準法では解雇日の30日前までに解雇予告をしなければならないと定められており、今回のような即日解雇は違法です。
また、能力不足を理由とする解雇についても、企業側は解雇に至るまでに指導・研修の徹底や業務内容や配置転換等の努力をしなければならないとされています。「使えないからクビ」なんて簡単な解雇は許されないわけですね。
バイトであれ社員であれ、人生の貴重な時間を費やして労働力を提供しているわけです。違法かどうか以前に、使えなければクビにすればいいや、くらいの軽い感覚で人を雇うような無責任な会社は淘汰されてほしいですね。そして運悪くこのような会社に勤めてしまった場合、さっさと縁を切ってもっといい仕事を探すのが一番の解決方法だと思います。