社内ニートの皆さん、今日も1日お疲れ様です!
社内ニートは経験者じゃないとわからない辛さがあります。居場所のない職場へ出社し、周りからの「どうせ仕事してないだろ」的な視線に耐え、なんの経験も積めずに時間が経過していき、昇給やボーナスは期待できず、将来への不安は増すばかり。
特に心配なのは「何も経験しないことで転職活動が不利になるんじゃないのか?」という点です。私も通算して20代の半分以上は社内ニートとして過ごしましたから、痛いほどよくわかります。
しかし社内ニートとしてある会社で3年勤務したのちも、私は転職活動を行い何社も内定をもらっています。その後も普通に働いていますので、転職できないとか、のちのちの仕事で困るということはありません。ご安心ください。
しかし、社内ニートの時間を無為な暇つぶしに過ごしてしまったり、転職活動においても何も対策せずに望んでしまうと、難しくなってしまう可能性があります。
そこでこの記事では、実際に私が23歳~26歳の3年間の間に転職をするために社内ニート中に行った準備と、転職活動の対策を具体的に紹介します。

社内ニートとして過ごしていると、自分は何のために生きているのかわからない虚無感に襲われますよね。
社内ニート中の転職準備編
まずは社内ニート中に行った対策を紹介したいと思います。転職活動前の準備と捉えるとよいと思います。
若いうち、とりわけ20代前半で社内ニートになってしまうと、転職活動をするにあたっては以下の3点が懸念になります。
①一般的に必要なビジネススキルが身につかない
②職務経歴書に書く職務内容がない
③面接で自己PRや実績として話せることがない
こうした懸念を払しょくするための対策をしていきましょう。
①最低限のビジネスマナーとスキルを身に着ける
業種や職種・法人規模によりますが、入社時にビジネスマナーの研修を行ってくれる会社もあれば、全く行ってくれない会社もありますよね。
前者のような会社で知識を身に着けている方は問題ありませんが、後者のような会社に在籍していた場合、必要最低限のビジネスマナーやスキルの勉強はしていた方が面接でも好印象に働きます。
一般的に最低限身に着けておいた方がいいとされるビジネスマナー、スキルは以下の通りです。
・電話対応
・メール対応(TO・CC・BCCの適切な使い分け)
・名刺交換
・敬語
・報連相
これらを実践として行ったかどうかはともかく、知識のあるなしは大きな違いです。自信のない方は学習することをおすすめします。
これらを体系的に学ぶのであれば秘書検定の勉強がおすすめです。資格の受験自体はしなくても、仕事に必要最低限の知識を効率的に学ぶことができます。秘書検定であれば2級で一般的に必要とされるビジネスマナーに十分な知識を身に着けることが可能でしょう。
筆者もビジネス研修等を受ける機会がなく、知識に自信がなかったため秘書検定を勉強し、実際に準1級を取得しました。実際に資格を取得しなくても、勉強すること価値は大いにあると感じます。
②同僚の業務をよく観察する
社内ニートになるとやたら他人の動きに過敏になりませんか?私はパソコンで業務に関係ない画面を開いたりしていたので、上司や先輩が背後を通った時に瞬時に画面の切り替えができるよう、社内の周りの人間の動きには常に注意を払っていました。
とこれは社内ニートが自分の時間を満喫するために磨き上げる一種のスキルですが、大事なのは職務経歴書に書く内容を作ることです。転職サイトでは職務内容を記載することが必須になっているので、ここに記入することがなければ転職サイトに登録すらできないのです。
そのために必要なのが同僚の業務の観察です。上司や先輩、同僚が1日をどんな風に過ごしているのか観察しましょう。
取引先と打ち合わせている、打ち合わせに必要な資料を作っている、ソフトウェアを使用し管理用データを入力している、業者にメールで見積もりの依頼をしている、業者に電話で納期の交渉をしている、などなど。
そしてそれを実際に自分が一連の業務として行う場合、どの業務であればできそうか、あるいはできない業務については何があればできそうかを考えましょう。
例えば打ち合わせ資料の作成を例にとります。基本的にどの会社でもフォーマットが存在しますよね。もしこの資料を作成するとしたら何があれば自分に作成することができそうでしょうか。
・どこになにを入力すべきなのかルールや手順がわからない
・資料作成に必要な商品知識やサービス知識がない
・誰になにを伝えるための資料なのか目的がわからない
・資料作成に使うソフトウェアの使い方がわからない
こうした疑問が浮かんでくると思います。この時、「ルールや手順」はその会社でしか役に立たないものです。これをいくら一生懸命身に着けようが、職務経歴書に書くことはできません。商品知識についても同様です。
大切なのは「その資料を作る目的を理解すること」「ソフトウェア(一般的に使用されるExcelやPowerPoint)の基本的な使い方がわかっていること」です。つまり目的と手段がわかれば、自分なりの資料を作成することはできるのです。
目的の基本は「誰に」「何のために」です。まずは目的を自分なりに考えてみて、わからなければ上司や先輩に聞いてみましょう。
こうして目的がわかったら、自分なりの資料を一度作ってみましょう。Excelの資料だと汎用性が高く望ましいです。作っているうちに関数の使い方だったり、データ処理の仕方でわからないことが出てくると思います。Googleで調べればすぐに解説のページがヒットします。
こうしたことを地道に行ううちに、資料作成のスキルは身についていきます。また、わからないことを自分で調べて解決する力も養われますね。
これは資料作成のみならず、色々な業務に適用することができます。仕事は意外とシンプルです。ある目的があって、それを達成するための手段があって、その手段としてのノウハウで売り上げを出しています。
この目的と手段がわかっていれば、職務内容に記載し、自分ごととして経験業務を語ることは可能です。「実際に成果物になっていないのに、職務内容に書いていいの?」と思われたと思いますが、それについては後ほど解説します。
③資格を取得する
そして準備の最後は資格取得です。
②の方法で職務内容を作れても、実績や成果のアピールには限界があります。そんな時に資格の取得は専門知識や努力の証として大きな助け舟となります。
ここで大事なのは「取得する資格の選定」です。これは汎用性なども大切なのですが、自分の会社の業界や部署に関連があるものを私はおすすめします。
面接において資格は一定の評価が得られる一方、その資格をなぜ取得したのかという動機が重要視されます。自己啓発などの目的よりも、自分の業務に活かすために取得を志したという動機の方が面接で圧倒的にウケがいいです。
業務知識の取得のために自主的に努力する姿勢は、どの会社でも活かせるものでアピールポイントになります。こうした勤勉さを評価する面接官は多いです。
資格の勉強ですが、社内ニート中にできるのであればそれが一番効率的です。パソコンの監視や上司や先輩の管理で業務中の勉強が難しい場合は、毎日定時退社を決め込んで終業後に30分でも1時間でもコツコツを学習する習慣をつけるとよいでしょう。
転職活動編
以上のような準備を行い、転職活動に入ります。私は上記の状況を整えるのに2年半かかりました。
社内ニートの実際の転職活動において重要なポイントは以下です。
①転職サイトの職務内容、自己PRの文面
②応募する企業の選定
②面接での応対(転職理由)
①転職サイトの職務内容や自己PRの基本は「盛る」
前項の②同僚を観察するで得られた事項に基づいて職務内容を作成していきますが、「盛る」ことを心掛けましょう。
どういうことかと言いますと、1を3くらいに盛るのはさほど不都合が生じないのですが、0を1にしてしまうと不都合が生じたときの軌道修正が難しいのです。
具体的に言いますと、前項で紹介したような資料作成であれば、実際にそれを使用したかに関わらず、業務上の目的を理解して自分で行っていることなので記載できます。これは「盛る」行為です。
しかし「実際にはまったく発生していない売り上げアップ」とか「してもない提案で業務効率化に成功」とかを書いてしまうと次の会社でもその再現性を期待される可能性が高いです。
入社後の自分の首を絞めることになりかねませんので、基本は盛ることを心掛けて作成していきましょう。
②応募企業する企業は未経験業種・職種に絞る
意外に思うかもしれませんが、社内ニートの転職活動で最も重要なのは応募企業の選定です。
社内ニートの転職活動はキャリアチェンジを軸にすべきだと私は考えます。経験職種での応募は即戦力を期待されるため、面接でも職務経歴の深堀をされ、知識や能力をシビアに判断されるでしょう。
一方、現在の業務と全く関連のないような業界や職種であれば、職務内容や自己PRにさほど深入りされることはありません。なぜなら面接官もよくわからないので深堀のしようがないのです。どちらかというと「どんな姿勢で何を大切にして仕事に向き合うのか」といった社会人としての姿勢が重要視されます。
③面接では社内ニートであることは言わない
最後に、面接では自分が社内ニートであることは伝えない方がいいです。
個人的には社内ニートは100%会社と上司の責任だと思っていますが、事実がどうあれ一般的にその感覚は少数派です。客観的に社内ニートになってしまった状況を説明できたとしても、「他責思考」とか「主体性がない」と捉えられてしまうのが社内ニートの悲しい性です。
面接官にいらぬ誤解を抱かせても何一つ良いことはありませんので、社内ニートであるということは控えるようにした方が安心です。
転職理由の作り方については以下で紹介していますので、参考にしてみてください。
最後に:転職活動は根気よく!
以上、私が社内ニートを経て転職した方法を解説してきました。
実際に転職活動を行うと、思うように進まなかったり、ショックを受けることもあると思います。だけど気にする必要はありません。世の中にはたくさんの会社と職場があり、それぞれ様々な背景から求人を出しているのです。
何か傷つくことを言われても、それはその担当者の一意見に過ぎないのです。どうかくじけずに、自分らしい人生を送る一歩になりますように。